そして家はキャンバスになった
家、『こどもの城』状態。
2階のキッチンの横には、デッキテラスがあります。そこには、井戸水の蛇口が。
このテラスは、子どもたちの遊び場。
いつのまにやら、デッキの囲いがこんなことに…。
まぁ水彩絵の具ですし、洗えば落ちるんですが。
だけど、こういうのって、大工さんとか、泣いちゃうのかしら。
でも、こういうことするために、作った家だからなぁ…。
暮らしの記録はきっと自身のみちしるべ
2006年4月26日
家、『こどもの城』状態。
2階のキッチンの横には、デッキテラスがあります。そこには、井戸水の蛇口が。
このテラスは、子どもたちの遊び場。
いつのまにやら、デッキの囲いがこんなことに…。
まぁ水彩絵の具ですし、洗えば落ちるんですが。
だけど、こういうのって、大工さんとか、泣いちゃうのかしら。
でも、こういうことするために、作った家だからなぁ…。
2006年4月25日
木のお風呂にお湯を入れてみましょうか。
………なかなか、たまりません。
仮に置いてた前のお風呂では、自動給湯で160ℓ。でも、それじゃいっぱいになりません。220ℓ…いや240ℓ…?
「こりゃ、もし上水だったら、水道代がバカにならないねぇ」と、とうちゃん。そそ、そうかも…。
もちろん、木のお風呂に注いでいるのは、湯沸かし器を通して沸かした井戸水。井戸水での湯沸かし器使用は、自己責任でメーカー保障をぶっちぎってます。
普通によくあるユニットバスって、なるべく少量のお湯で浸かれるように設計してたりするのかなぁ、やっぱり。きっとその方が省エネっていうか、家計にやさしいっていうかなんだろうなぁ。でも、少ないお湯はすぐに冷めちゃう。ひとりかせいぜいふたり入るだけのお風呂ならそれもいいけれど…家族が増えると、すぐに冷めるお湯は追い炊きの繰り返しになっちゃって、果たして省エネなのかどうなのか…。
さて、一番に、お湯を張ったヒノキ風呂に飛び込んだのはアトム。
もう、もぐり放題! アヒルちゃん浮かべ放題!
浴室に置いただけの浴槽、入るのには結構深く縁をまたがなければなりません。
でも、もう5才のアトムはひょいと乗り越えて入ります。すでに泳げるんですから、ひとりで入らせても何ら問題ありません。
2才のウランはまだ自力では浴槽の縁を登れません。親が抱えて入れてあげないとなりません。
いつもお湯を張っておくことになるお風呂なので、このぐらいの高さでないと、ちょっとした隙に自分でお風呂に入ろうとしてお湯に転落して溺れるかもしれません。ウランが自力で浴槽の縁を乗り越えられる身長になる頃には、もう自分で水にもぐれる年齢になっているでしょう。この深さは丁度いいかもしれません。浴槽の高さ70㎝。
とうちゃんとアトムとウランが3人で最初に入った木のお風呂。3人入ってもゆうゆうです。とうちゃんも足がのばせます。今まで、3人で入ると、大人は足を折ってちっちゃくなってないと入れなかったもんね。四角い木の浴槽は、丸みのないぶん、同じスペースでもゆったりと入れます。
さて、かあさんも入ってみます。
……日本人に生まれてよかったよ。
ヒノキ風呂に井戸水入れて入れるなんて。こればっかりは、ほんと、日本に生まれてよかったよ。
いつも、子どもたちとお風呂に入るのは、かあさん。子どもたちを入れて洗ってもういっぱいで、自分がお風呂であたたまる間なんてありません。あたたまるどころか、かえって冷えて出てくるばかりの毎日。
夕方、子どもたちをお風呂に入れて、ご飯を食べさせて、絵本を読んだりしてから寝かしつけて…。すっかり冷え切ってしまいます。
夜、子どもたちが寝たあと、木のお風呂のサワラの蓋をぱたりとひとりで開けてみます。
ほわっと立ち上がる湯気。
何もしなくても、あたたかいお風呂のお湯。
また、入ってみます。
木肌に触れたからなのか、心なしかますますやわらかくなったお湯。あたたまるなぁ。
思えば妊娠中はずっと頭が焼けるようで水のにおいが気持ち悪くて入りたくても入れなかったお風呂。産んでからは自分が浸かる間もなかったお風呂。そんなこんなで6年近く。お風呂に入るのが大好きなのに…。自宅でお風呂にゆっくり浸かるなんて、これが始めてかもしれない…。ヒノキのお風呂で、自分の家から湧いた水のお湯に入るなんて…。
ねね、これって、もしかして、朝も蓋を開けると、ほわっとするのかな。
てことは、朝風呂も、まんま入れちゃったりするのかな。
えっ。それって…。そんな毎日って、人生変わっちゃうと思うよ。
ヒノキ風呂で、アタシの人生変わるのか。
夜中に、「ありがとう」と、誰に言うでもなく、言ってみたり。
2006年4月24日
木のお風呂を、浴室に置きます。
ただ置けばいいので、簡単と言えば簡単ですが、木のお風呂は重たいです。伊藤風呂店のご主人と、お手伝いの大工さんと、とうちゃんと、3人がかりで「よいしょっと」。
位置を決めて、水平器を乗せて水平を見ています。水がうまく流れるように、微妙な傾斜をつけています。「よし」。「よし」。ひとつひとつ確認。
木のお風呂の扱いの説明などいろいろと聞きます。3日ぐらいはお湯が冷めないので、お湯をつぎ足して入って、週に一度くらいはお湯を抜いて洗って乾かす。洗うのは荒縄が一番。始めのうちは木が乾燥しやすいので反りやヒビが入るのを予防するために、フタも浴槽も両面から濡らす。旅行なんかでしばらくお風呂を使わないときは、中に水を張っておく。
えぇもう、そのくらい、やっちゃいますよ。ていうか、週に一度洗うだけなんて、毎日洗ってお湯を入れなきゃならないユニットバスよりも、かあちゃん的にラクだったりなんかして…。
まるでわが子を手放すかのような目でお風呂を見つめて、いろいろ取り扱いの説明をしてくださるご主人。
お風呂グッズいろいろ、風呂桶に手桶もつけていただきました。まだ間に合わなかったものもあるので、後ほど宅急便で送ってくださるそうです。これらは伊藤風呂店のご主人の娘さんの作によるものなのでしょうか。
さてさて、早速、入ってみましょうよ。ヒノキ風呂。
2006年4月23日
ついに、ヒノキのお風呂がやってきます。
なにか、なにか、この家、足りないなぁ…。
そうだ、まだ、ヒノキのお風呂が入ってなかったんだ。
家に住み始めて1ヶ月。とうとう、伊藤風呂店さんが、できあがったヒノキ風呂を持ってきます。
重たいお風呂を運ぶためのお手伝いに、お知り合いだという大工さんも、伊藤風呂店のご主人と一緒にやってきます。
ところが、お風呂に手をつける前に、建築中から家を見に来ている伊藤風呂店のご主人、勝手知ったるというかんじで、「このキッチンが…」なんて、一緒に来た大工さんに話しだしたり。もしかして、一緒の大工さんの目的の半分は、家見学?!
「このごろ、こういうキッチン、はやってるんだよね。これはシンク乗せて…タイル貼って…」。
「そうなんです。システムキッチンを好きじゃない人っているんですよね。私もそうなんですけど。しまいこんじゃうと、何がどこにあるんだかわからなくなっちゃうんです」。と、かあさん。
そう、このキッチンは、何がどこにあるのか一目瞭然にしたいキッチン。やっぱり、目に見えて手が届くところに道具があると、人間、使ってみたくなるというもんです。これは、とうちゃんや子どもたちがつい料理に手を出したくなるという作戦のキッチン。
「でもね、この換気扇が…。スッキリ見せたくて換気扇をコンロの上の棚に埋め込んであるようなんですけれど、やっぱり油が換気扇の上の棚の方に回り込んできちゃうんですよね。どうでしょうねぇこれ」。と、かあさん。
「やっぱり、フードがないと、油の吸い込みは悪いよね…」と、大工さん。
「フードくらい、作ってつけちゃえばいいじゃない。あ、そうだ、銅板で作ればいいじゃない。銅板て、こういう木の家によく合うんだよねー。銅板だったら、あげるよ」と、伊藤風呂店のご主人。
え。銅板、もらっちゃっていいんですか? 「だって、そんなの、いっぱいあるもん」。あ、そうですよね、お風呂作るのに使いますもんね、銅板。
なんだか一気に問題解決。
むき出しの間柱とかも見ています。
「ここにさ、ダボ穴つけてさ、棚作ったりしてさ、こりゃあ、この家は、ずっと楽しめるよ、うん」。
さて、お風呂に取りかかります。
まずは、今まで仮に置いていたプラスティックな浴槽を浴室から運び出して…。
大きなヒノキのお風呂が、横にされたり縦にされたりしながら、2階への階段を昇ってきます。
うわー、おっきいなぁ…。ヒノキ風呂。
ついに、木のお風呂が。
2006年4月10日
「この一角だけはね、昔から、井戸水が出るの」。
年度末に確認に来た水道局の人が、うつむきかげんに、少し嬉しそうに言った。
井戸水の水質検査の結果が出ました。
どうだ! 家を設計する前に「今は井戸水は出ないから…」、「水質が悪いから…」、と、ロクに見もせずに井戸水を頭から否定してくれた人、人、人! 見てみろぉ!
見事に『適合』だぁ!
いやぁ、キレーな水です。
中程度の軟水のようです。
濁りも、まったくありません。
とうちゃんが、ジェラルミンケースに井戸水を入れて、市谷まで運んでいって受けた検査です。汲んだその日のうちに検査を受けないといけないのだそうです。まぁナマモノだもんね。
これで、晴れて井戸水生活です。
今後は、災害時に井戸水を提供するということで、区の検査を定期的に受けていこうかと思います。
2006年4月 7日
長屋のあった土地は、不思議な方向を向いています。
南に向いた間口の方向から、午前中は光がいっぱい入ってきます。その光が途切れると、こんどは北の方向から日差しが入ってきます。つまり、日差しが途切れることなく1日じゅう家に入るのです。普通、細長い家はあまり日差しが入らずに暗くなってしまうと言われています。ましてや3方を他の家に囲まれた立地、普通は1日のうちの2~3時間日が入ればいいような条件の悪い立地と思われています。ところが、この長屋のあった細長い土地の家には、1日じゅう日の光が家に入るのです。
どうして、北側から、こんなに日が入るんだろう…。
それは、ここに古い家が建っていた時から不思議に思っていました。
きっと、太陽の角度や高さを、昔ここに長屋を作った人々はよく知っていて、1日じゅう日差しの入る向きに長屋を建てたのです。いえ、ここは遺跡が眠る土地。長屋が建ったよりもずっとずっと大昔の頃から、それを知って、人々はここに家を建てていたのではないでしょうか。
きっと、冬には暖かく、夏には涼しく日が差す角度を、大昔の人々は、よく知っていたのです。
最初に水が湧く場があり、その周りに人が住まうようになり、そこに家を建て、それから道を作った。道は、風の通り道。そうしてできあがった町だったのでしょう。お役所だの先生方だのが机上で考える都市計画なんて、鼻で笑っちゃうような。
長屋というと世の中には馬鹿にして見る人もいるのでしょうが、これほど知恵が形になった日本の文化があるでしょうか。長屋を建てたわけではありませんが、かつて長屋のあった場所だというだけでも、宝のように思います。何千年も積み重ねられてきた知恵。
この窓は西側を向いている窓です。午後になると、この窓からも日差しが入ります。隣の家の屋根を追い越した場所にあるので、明るい光が入ります。その光はキッチンに落ちてきます。設計図面の段階では、この位置の窓ではなかったのですが、建てている途中でこの位置に変更してもらいました。キッチンに日が直接当たるというのは気持ちのよいものです。丁度、午後のお茶の時間に日が入ります。
少し遅い夕食を取っているとき、ふと見上げると、この窓に月が。子どもたちと一緒のあわただしい食卓、何かをゆったりと眺める間などありません。でも、席に座った位置から見ると、ちょうどそこに絵でも飾ってあるかのように月が光っています。えっ。月って…この時間にこんな位置に見えるものだったんだなぁ…ビックリ。それしてもぴったりに窓の位置…。
あぁ、子どもたちとのバタバタした食卓でなければ、月を眺めながら日本酒でも、ゆっくりちびちびとしたいものだけどなぁ…。