2005年5月18日

子育てのための家づくり


家の図面を、自分なりに描いてみる。

図面を描いていると、自分が求めているものはなんなのかというところを突き詰めて考えることになる。

東京の都市部の多くの人の住環境を考えてみたりする。結婚してアパートやマンションにまず住み、そこで子どもが産まれる。赤ちゃんの泣き声が上の階や下の階や隣の部屋にひびかないかとオドオドしながら、産後の時期を過ごしたりする。もう少しすると子どもの足音や声が周りの部屋に響いたりしないかとひやひやしながら毎日過ごしたりする。東京は家賃が高いので、アパートなどは狭い。赤ちゃんがハイハイするスペースもなかったりする。ベランダもなかったりする。建物が建てこんでいるので採光も悪い。採光のよいマンションだと大通り沿いだったりして排気ガスで窓も開けられない。閉じた狭い暗い空間で、じっとしたまま小さな子どもは育つことになる。

もう少し成長してくると、エレベーターに乗らなければ地上に降りられないマンションの上の方の階では、子どもの手に届かない押しボタンのエレベーターだったりして、子どもには操作しずらかったりする。ベランダに出ても突風が吹いているので窓を開けることもない。かと言って下の方の階は地震が起きたときにつぶれるのではないかと不安だったりする。建物によっては下の方の階はジメジメする。あちこちカビとかはえてくる。マンションにしてもアパートにしても、声も大きくなってきた子どもたちの出す音で上下の階にますます気を使うことになる。音の出ないことをして子どもたちは過ごすようになる。周りの部屋の雑音も入ってくる。おのずとテレビの音を一日中出して雑音を消したりするようになる。静かな遊びをするようになる。さしあったってテレビゲームしたりする。ずっと家にいるのでシックハウスになったりする。声を出さなくなる。動かなくなる。

やがて子どもが大きくなって広さに限界を感じると、一戸建てを購入したりする。狭い土地に縦に伸びていく家が多いので、子ども部屋は地下室だったりということになったりする。普通の建売住宅なら、各階に部屋数を増やして作ろうとするので、小さな個室が縦に連なることになる。誰とも顔を合わせない生活をうす暗い部屋で送ったりする。

ずいぶん多くの子どもが、そんなパターンで成長していくのではないかと思う。

まだ子育てをしだしたばかりの若い世代がアパートやマンションに住むという選択以外に、小さな土地の小さな家に住むという選択もあったっていいんじゃないかと思う。

体育館みたいな倉庫みたいな家、そういう建て方の家は内壁がないのでコストも抑えられる。床材や壁材は、節があったり反りがあったりヒビがあったりしたものでいい。むしろその方が木というものそのものを知ることができて、豊かかもしれない。無垢材を使っても、それなら安くつくることができる。オープンキッチンで、簡素なつくりの台所でいい。シンプルなものは子どもにも使いやすい。いろいろな機能の盛り込みや○○社製のナントカで豪華というキッチンは必要ない。つくり込まないことでもコストダウンできる。構造材だけはしっかりとしたものを使って、あとはお金をかけずに素朴なものをひたすら使う。若い育児中の世代でも買いやすい金額。

子育てをするための家が、ひとつの住宅のジャンルになったら、そんな家に住みたいと思う人は、いるのではないだろうか。たくさん増えて、中古住宅としても売りに出て、また次の子育て世代が使って引き継いでいくという考えがあってもいいんじゃないだろうか。公園の周りにそんな家がまとめて建ってたりしたら、住みたいと思う人はいるんじゃないだろうか? コーポラティブハウスでもいい。

でも、そんな考えを理解してくれる人もなく、まぁまずは、けげんな顔をされる。

子どもが育つことに意味を見出す家。おかしい考えなんだろうか?

[子育てのための家づくり]All About


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コメント[4]

そうなんですよ!
おっしゃるような子育ての為の家があってもいいじゃないかというのが、「i-works」の始まりでした。そして、どうしても都市に住みたい人たちのために「東京町家」をつくりました。

虚飾はいらない、シンプルなものがよい。
変わるものと変わらないものを整理して、つくる。
安全な材料を、きちんと検討して使う。
継続して供給され、将来にわたってメンテナンス可能な材料で構成する。
子供たちの感性をダメにする偽物は使わない。
昼と夜、季節の変化を楽しめる豊かな空間。

こんな事を盛り込んだ家づくりを、地域工務店と建築家がしています。

子育てのための家の規格のようなものがあって、その規格に適合した住宅を子どものいる世帯が購入したり建てたりするときには、国とか自治体とかから補助金が出るとかいう制度があったりすると、子どもを取り巻く環境が良くなる上に、安心して子どもを育てられるので産もうとも思いますし、いい家がいっぱいできることになって街も良くなりそうな気がします。
よくわからない少子化対策にお金を使うよりも、ずっと有効な少子化対策になるのではないでしょうか。若い夫婦が住む住居の賃貸に補助金を出す自治体はありますけれど、もう1歩踏み込んでもらえるといいなと思います。省エネの建築物には補助金が出たりするのに…。介護保険以降、お金を出せることになるお年寄りを対象にした建物がもこもこと増えていくばかりです。

はじめまして。
長崎で子育て優先の家づくり、街づくりに専念している小川工務店の小川です。
小さな土地に、小さな家。だけど安心して暮らせる構造、素材、間取り、そして子育て世代でも手が届く価格。
私たちは、子育ての住環境を少しでもよくなるように努力しています。
当社の取り組みは、地元NHKをはじめメディアでも取り上げていただいています。日本にはそういう会社も人もいる、ということをお伝えできればと思い、投稿させて頂きました。

hayatoさん、コメントをありがとうございます。
HP、以前に拝見させていただいたことがあります。
うなずくところがたくさんあります。
素晴らしいですね。

HPに関連してブログは作成されていらっしゃらないのですか? 日記を置いていらっしゃるのに、ただの日記だけで終わらせてしまわれるのは、なんだかもったいないですね。ブログにされると、より多くの方の目に触れやすくなりますし、評価も上がられるように思います。多くの方が読まれるべき日記だと思います。

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